子どもに使わせたいヤチムン

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幼いころに大好きなうつわがあって、そのうつわに料理をよそってもらえると、それだけでなんだかうれしくて、ご飯が楽しくなったことを思い出す。だから子どもに食器を買うときに一番に優先したのは、食事が楽しくなるうつわであること。そのうえで、長く使えて、ものの大切さを伝えられるものが良い。必ずしも「子ども用」に作られたものを選ぶ必要はなくて、例えば小鉢を汁碗として代用しても良いし、平皿をワンプレートに使っても良い。ポイントはそのちいさな手でも持ちやすくて、重すぎないこと。たとえばマカイ(茶碗)なら糸底(いとじり)のあるほうが持ちやすい。

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そしてヤチムンの魅力はなんといっても、温かいものや冷たいものの温度、うつわの重みや手触りを感じながら食べられること。自然の素材だけで出来ているから、アレルギーの心配もない。一つひとつのうつわには作り手がいて、彼らが丁寧に作っているということや、もしかしたら、落として割ってしまうこともあるかもしれないけれど、そういったことを通して、ものを大切にする気持ちを伝えることもできる。いつか大人になったとき、スープを入れていた小鉢は小鉢として、平皿は平皿として使い続けることができる。ちょっと大げさに言えば、人生についての大切なことのいくつかを学ぶことができて、一生ものの思い出になる、うつわは親からのそんなプレゼント。だから子どもには、ヤチムンのうつわを使わせたいと思うのだ。